ボディの面取り工程を担当しています。
僕の勝手なイメージなんですが,ギター製作の作業といえば「力木のはつり」、「甲付け」、「竿削り」などを想像します。それに比べて面取りは若干地味な工程のような気がします。音色、弾きやすさ等にほとんど影響する事がない作業だからかもしれません。しかし地味であろうと装飾には絶対欠かせない大切な工程として日々精進しています。
一般に「面取り」というと材の角を取ると言う事を想像しますが、ギターの場合は少し違います。甲付け完了後のタイコ状態になったギターのエッジ部分にバインディングやパーフリングを接着させるための溝をボディの周りに切削することを言います。
面取り作業で一番大切なことは、バインディング材やパーフリング材を接着した時に隙間ができないように材のサイズに合った溝を切削しなければならないことです。材のサイズより若干小さめに溝を切削すれば隙間はできませんが、次工程の作業性が悪くなり効率が落ちます。バインディング材やパーフリング材のサイズのバラつきに合わせ0.05mm単位で溝の幅を調整しながら切削しています。
音質や操作性にはほとんど影響しない工程ですが、作業はそれなりにシビアです。
-ドナルド・クラウン-