面取り担当のドナルド・クラウンです。
面取りしながら使用されている材料の樹種によって「この材のギターは重い」とか「この材のギター軽いなぁ」と思う事がよくあります。機種により材の厚さを変えており、使用量が異るため一概に重い・軽いは言えませんが、オバンコールやニューハカランダを使用したギターは比較的重く感じます。そこで、各樹種の比重を調べてみました。
下記の値は含水率15%時の平均の比重です。
コクタン 0.98
ブラジリアンローズウッド 0.98
ブビンガ 0.94
ローズウッド 0.85
オバンコール 0.74
サペリ 0.65
マホガニー 0.53
スプルース 0.47
参考までに
ヒノキ 0.41
スギ 0.38
リグナムバイダ 1.24 (最も重い材)
バルサ 0.10 (最も軽い材)
(引用文献 平井信二 監修:技術シリーズ 木工,p16,浅倉書店,1979)
残念ながら僕の調べた資料では、米杉、ハワイアンコア、ニューハカランダ等の数値がありませんでしたが、ネットで検索してみると簡単に木材の比重を知ることができますので興味のある方は検索してみてください。
木材の空隙を取り除いた部分の細胞壁の比重は樹種に大差なく大体1.50と言われています。上記の比重は重量を空隙などを含んだその容積で割った値なので材により差が生じます。木材の中に空隙が多いと比重が小さく、隙間が少ないと比重が大きくなります。木材の比重は含まれている水分の割合(含水率)によって異なり、年輪の幅などによっても同一樹種でもばらつきがあるようです。
日本家屋によく使われるヒノキ・スギと比べると、ギターの材料は比重が大きいですね。
(参考文献 平井信二 監修:技術シリーズ 木工,浅倉書店,1979)
ドナルド・クラウン